アウトロー★★★★〜古き良き英雄の欠点〜


 名探偵トム・クルーズ。「一昔前の洋画劇場っぽい」という声が散見されるように、往年の西部劇と60-70's米映画をベースとした造りとなっている。今年の賞戦線を騒がした『アメリカン・ハッスル』も70年代ハリウッドのオマージュが濃い作品だし、ブームなのかも?


 例えば上記のシーンはシドニー・ポワチエ『手錠のままの脱獄』を思い出す。銃のスコープで被害者たちが映される入りは『ダーティハリー』?最近もっぱら最先端視覚効果が用いられがちなカー・アクションシーンも、本作では無骨で、なんとBGMは無し。沈黙のままジリジリと緊迫ドライブが続く渋さ。しかしながらアクションやミステリ展開はド王道なので、正に手に汗握って楽しめる活劇となっている。俳優陣も70年代に活躍したロヴァート・デュヴァルが出てきたりと、正に洋画劇場全盛期ファン感涙の出来栄え。
 しかしながら、今日に「西部劇」を行うにおいて、気になったことが一つ…

【ネタバレ感想】
 「金も女も要求せずただ悪を撃って去ってゆくヒーロー」って、現代舞台だと違和感が…。トム・クルーズのスーパースター性を持っても「本当かいな」と突っ込んでしまった。なんのインセンティブも要求しないアメリカン・ヒーローとしては(ありがちな)葛藤も見られない。2010年代の英雄としては厳しいか?

WOWOWにて鑑賞)