少年は残酷な弓を射る★★★★ 〜母なる証明、子なる証明〜


  ーー「母さん、僕が怖い?」

母親に対し執拗に嫌がらせを繰り返す息子(美少年)!!!!なんでなんや!!という話。


母・エヴァティルダ・スウィントン)。世界を飛び交う旅行作家だったが、懐妊し結婚した。
実の息子であるケヴィンくんから小姑のようなイジメを受けており、
作中での笑顔の無さはミタさん並。


母親に悪意を向ける息子・ケヴィン(エズラ・ミラー)。
はるかぜちゃんもビックリの「子供らしくなさ」を発揮。


母親に対し、幼少期から嫌がらせを欠かさないケヴィンくん。壁と窓をベタベタにするサンゲツの福くんスタイルで攻撃。


(サンゲツの機能性壁紙だったら悲劇は起こらなかったかもしれない…)


ケヴィンの恐ろしさに気づかない父親(ジョン・C・ライリー)。
ハッ・・・・
この人・・・・・・・・・



おとなのけんか』のハムスターおじさん!!!!!!!
「ハムスター捨てたw」と自慢していたハムスターおじさん!!!!!!!
今回もネズミ死んでましたよ!!!!!!!!!!
またおっさんがやったんじゃないの!!!?


ピンからキリまで緊張が張り詰める本作ですが、大好きなハムスターおじさんが出てきて和みました。
ていうか、息子も娘も美形だけど本当にハムスターおじさんの子なの?(“母親似”ではすまされないレベルだった・・・)

【※ネタバレ感想】
 ケヴィンって、愛情を求めて泣き喚く赤ん坊のようなものだと思う。生まれつきの頭の良さで、敏感に母親の「息子を愛せない」感情を察した。愛を求め続ける彼は、遂には母と自分とを「家族がたった2人の世界」におとしめる。多分、母から愛されてることを確信したくて、あんな行動を続けていたんじゃないかな。「こうしてたら目的は果たされる」と信じていたけど、「その目的がなんなのか」をわかっておらず、向き合おうとしなかったから、あんな暴挙を犯した。そして最後に「あの時はわかっていたけど今はわからない」と、(おそらく母に対し初めて)本音を漏らす。
 そんなうなだれる息子を、己を地獄に落とした息子を、母が抱擁し、映画は終わる。母性は存在したのだ。
 って感じだと思ったんだけどどうすかね。もちろん「異常犯罪に明確な理由は無い」という恐さも含まれたラストだと思う。でも、エヴァを引っ越させないのは、面会に通わせるのは、そして最後抱きしめさせるのは、彼女の内なる「母性」でしょう。自分にとってこれは己の未来を潰した息子を、最後の最後で愛することができた母の話です。“母なる証明”。印象に残る映画でした。しかし"「二年で出られる」と発言した瞬間、共犯者に見える母。"って内田春菊のコメント、こわすぎ。

(TOHOシネマズシャンテにて鑑賞)