預言者★★★☆〜俺には明日がある〜


難し映画かと思ったらエンタメだった。
社会的底辺の主人公が刑務所に入り、マフィア的社会を形成しているそこで成り上がってく話。
「刑務所内の社会」を描いたと言えば『ショーシャンクの空に』ですが…。
あんな素敵な世界ではない…。ガチマフィアWorLD…。
総てを悟ったような柔らかな老人モーガン・フリーマンなんていない…。
いたならば、殺された…。
モーガンは殺された!!!!


 ハリウッドならフィリップ・シーモア・ホフマンがやってそうな老人が刑務所社会のボス。その手下にさせられた主人公が塀の中で成り上がろうとする話。なによりもフランス刑務所のフリーダムっぷりにビビる。漫画喫茶よりも自由度が高い…。「語学」「経済学」etcの授業あり/読書OK/AV鑑賞権利あり/模範囚ならば外出可。刑務所社会にフランスの人種問題を反映させているらしいんだけど、日本人としては自由度の方に目が行きました…。まぁ識字率が高い日本の刑務所には「語学」の授業なんてそもそも必要性が低いのだろうな。


 タイトルの「預言者」の意味。入所したばかりの主人公は、一人の男を殺害するはめになる。その「最初に殺した男」の幽霊にとらわれるたびに「幻覚」を見る。その「幻覚」は未来予知になっており、彼の命&成り上がりライフ☆を度々助ける。から「預言者」。

【ネタバレ感想】
 主人公が「預言者」たるのは、彼が「臆病者」だからだと思う。権力を手にするたび報復を恐れ、マフィア人生のスタートラインとなった「最初の殺人」に捕らわれる。預言はある種、恐怖のあまり「ありえる不幸」をいくつも妄想していた為、その中のひとつが偶然あたったかのようにも思える。「臆病」であることは、リーダーの必要条件かも。
 襲撃シーン。弾丸が飛び交うなか車中で笑顔になる主人公を見て『俺たちに明日はない』かのようだ、と思ったんだけど『俺たち〜』とは異なるENDだった。「お前に明日は無いけど俺にはある」と、前代ボスに対して勝ち誇ったかのようなラストシーン。

WOWOWにて鑑賞)