『リアル~完全なる首長竜の日~』セールス失敗原因は予告編?


 某所で「健とはるかの神隠し」と言われるほどセールスがオイタな『リアル首長竜』。270スクリーン規模・土日2日間の動員9万6165人、興収1億801万200円。初週なのに3週目の『クロユリ団地』に敗北している。東宝配給大作にも関わらず「コケ」濃厚のスタートを切った(6/1〜2間の日本興行ランキングは1位『オブリビオン』2位『クロユリ団地』3位『リアル』)。数字が著しくなかった原因は複数あるだろうし、事情にも全く詳しくありませんが、素人目からすると予告編の出来が悪くない?と思う。自分が一番目にしたものはこちら↓

 爽やかなミスチルがかかるし、純愛ものっぽく見えるけれど、そこで出る「ミステリー大賞」の文字・・・えっ、謎解き系なの!?と混乱!!!!映像自体は『エヴァ』と『インセプション』のパクりっぽくて(そう感じる人は少数だろうけど)尚更意味がわからない。
 要するに予告編で「どのような映画かわからない」ことが大きな問題なわけだけど、この話には続きがある・・・。なんとこの『リアル』、蓋を開けるとガチホラーなのである。笑いを与えてくれた『クロユリ団地』など『ベイブ』に見えてくるレベルのガチホラーだよ!!!ただしホラーっぽいのは前半のみ。
 予告に失敗、観客(予備軍)に「どのような映画か」伝えられなかった原因はこの「ホラー要素」を見せなかったからだと思う。下衆の勘ぐりをすると「綾瀬と佐藤の純愛モノ押しで行こうとしたからホラーであることを隠したのでは?」って感じでござる。一番最初に貼ったポスターは海外版。クリアーな触感である日本版と異なり、国外だとおぞましげな加工が施されておりホラー的。スター・トレック イントゥダークネス』の日本コピーを「人類最大の弱点は、愛」としたJJエイブラハム監督は「日本人にはエモーショナルで攻めりゃいい」と言っていたそうですが…『リアル』もそれと同じく「純愛エモーショナル広告」をとったっぽい。
 「予告編で映画の要素を隠す」手段は成功してれば良いと思いますが、残念ながら失敗していると感じた。「ホラー要素」を無くしたせいで予告編が軽〜く薄〜い出来になってしまっている。だから「どんは映画か」わからない。どんな作品かを伝えること、又は興味を持たせることが予告編の命題であるはず。。そしてこの予告で見に行った観客には「ホラーだと思わなかった」と、予想を裏切られマイナスイメージを持った人も多いだろう。予告「詐欺」とまで感じる人までも存在するため、評判が必要以上悪い方向へいってしまう。しまいにはその「ホラー要素」を隠さなくても問題無い作品ときている。あと綾瀬はるか佐藤健の組み合わせって、恋愛ものとしては需要無いんじゃない?並ぶと姉妹っぽいし(原作では姉妹設定)。はるかと付き合ってるのに中谷美紀と浮気する健は見たいけど・・・。
 【ホラーもSFもミステリもサスペンスもアクションもゴッチャ煮したエンタメ作品】として自分は大変楽しめました。そういう目線で見に行っておくれ!!!

感想→リアル〜完全なる首長竜の日〜★★★★〜エンタメホラーSFアクション奇怪作〜 - キジルシネマ