宝塚星組公演『長崎しぐれ坂』2005.6★★★〜「型」的台詞に宿る繊細〜


 なんで全部女でやってんの?・・・って突っ込んだら終わる!と言うか文化を調べだして長くなる!というわけで我が国が誇る宝塚である。


 山田洋次はこの舞台の檀れいを見て『武士の一分』での起用を決めたらしい。洋次、宝塚見んの?というツッコミは置いといて…。この作品の檀れいは、家が没落し芸者に堕ちた役。彼女は商人の愛人もつとめている。幼馴染(イケメン)への想いを胸に秘めながら…。って『武士の一分』と一緒やんけ!洋次もビビっとキちゃったわけだね。おれいの悲哀なる正ヒロイン力にマンマとやられちゃったわけね!!
 「江戸で幼少期を過ごした幼馴染3人が流れに流れ、長崎で出会う」この話。原作は新劇らしい。確かに宝塚のイメージってよりも新劇的〜。無骨な男たちの友情がメインだし、歌唱も少なめ。安蘭けいが脇役で出ててビビる。


 檀れいの卒業公演(の1つ)だったらしいけど、檀れいよりも男2人がメイン。新劇では「熱き男どもの友情」でも宝塚だと「やおいサービス」っぽいな!檀れいは少ない出番にも関わらず揺れる心情を表現していた。あと安蘭がイケメン。男優だと逆に出来ない「少女漫画の王子様」っぷりで、人気あるのわかるわ〜。
 舞台的には説明台詞が目立つ。まぁみんなアニメっぽい大袈裟な喋りをするのだけど、だからこそ、その漫画的な言葉の中でどれだけ繊細なエモーショナルを魅せるか?って芝居合戦にドキドキ。そこが一番楽しかったかな。主演3人は流石。宝塚にしては珍しい日本物なんだけど、チャイナ女性や主人公(イケメン)に恋する不幸女など、脇役までキャラが濃くて『らんま1/2』っぽい。ていうか濡れ場っぽいシーンあってビックリした。檀れいではないけどネ!

NHK BSプレミアムにて鑑賞)