アトランタ号★★★★★〜パズーの目玉焼きのような、ロマン〜


  ーー河や運河を上り下りする伝馬船の若い船長とその妻。狭い船内の息が詰まる生活に嫌気が差した妻は、ひとり憧れのパリへ赴く。夫は船の寝室で、妻は安宿のベッドで互いに思いを馳せるのだった。

若い船長とその花嫁が船旅に出、妻が「やっぱアタイ都会がいい!」と主旨変更し、船から脱走、怒った夫は彼女を乗せぬまま船を出してしまう・・・・
ってだけの話なんですが。
「のちの成田離婚である。」って話なんですが!!!


それなのに、凄くいいんですね〜。
船の中に、ガラクタと猫、世界を廻る老人に、ブロンド花嫁...。
ベネズエラの人形や、ホルマリン漬けの親友の右手なんかを、楽しそうに老人が紹介して、楽しそうに花嫁が笑うんです。

ラピュタの目玉焼きパン的なロマンで満ちてました。「パズーのポケットって、なんでもあるのね!」と言いそうになります!実際は美味しいパンなど無く、ホルマリン漬けの右手しか無いけどね!!


猫映画でもあります。
にゃんこや音楽も勿論のこと、セリフもステキなんですね〜。
「水の中に愛が見えるのよ!知らないの?」
「夫婦喧嘩は犬も食わねえってな!」 「喧嘩とキスの繰り返しさ!」
「音楽で別れを告げにきた」 「パリで君は何が欲しい?」


夫婦でパリ観光するシーンもおステキです。
画像はパリのチャラ男と話す花嫁を、新郎が睨みつけるシーン。
この新郎、作中では怒ってばかり。暴力癖も・・・。
アトランタ号』は、欲望のまま自由に生きる人々を映し、人間賛歌を感じさせる作品ですが。
普通にこの夫とは成田離婚した方がいいと思いました。

(午前0時の映画祭(Powered by KINEATTIC)にて鑑賞)