ヴァージニア★★★☆〜コッポラのホーンテッド・マンション〜
ーー彼女だけが知っている、この町の秘密
小説家の主人公が訪れた田舎町では、不可解な連続殺人事件が起きてきた。
創作のネタになると踏み事件を調べていた主人公は、夜の街で幽霊のような少女と出会う、って話。
大好きなパパ・コッポラ監督の新作です!
謎の美少女・Vにはエル・ファニング。
監督の娘、ソフィアの『SOMEWHERE』に出てましたね。
父娘で映画ロンダリングされてるので、コッポラ家の養子に入ってもおかしくない勢い。
コッポラ父娘が大抜擢した理由もわかる美しさでした。
まぁ、主人公のオッサンと同じ髪型なことに気づいてしまってからは、変なツボ入りましたが。
作品は、幻想的で「ホーンテッド・マンション」って感じ。(ディズニーランドのアトラクション)
エドガー・アラン・ポーの幽霊が小説道場を開講したりと、コッポラ監督の趣味とフェティッシュで満ち溢れてました。
オペラ的な、重厚な幻想世界を満喫〜〜。
で、フラミンゴ!(アルデン・エーレンライク)
不良グループのリーダーです。
これが超カッコいい。
一歩間違えればマイケル・ジャクソンを目指して残念な感じになっちゃった人って難役を演じきっています!
このアルデン・エーレンライク、コッポラ前作の『テトロ 過去を殺した男』でも出てましたね。今回は打って変わってセクシーde攻め。
最後の一文から察するに、コッポラはエル・ファニングとアルデン・エーレンライク撮りたくてこれ作ったんだと思います。
【※ネタバレ感想】
不幸な少女ヴァージニア。ラストに主人公を「歯の矯正器具を飛ばすという前衛的な攻撃法」で襲うわけですが。その矯正器具って、彼女のコンプレックスなんですよね。それがとれたってことは、彼女は救われたんです。主人公の手によって。主人公は自身の娘のトラウマから解放され、もう一人の少女を救った。
で、ヴァージニアに噛まれた主人公は、吸血鬼になったのですが…。最後の編集者との会話シーン、それまでの彼とは全く違った雰囲気なんですよね。たった少しのシーンなのにそれを感じさせるヴァル・キリマー、巧いです。 パニックシーンから急に編集者との対話に移るラストは、『ミザリー』っぽい。
(シネマート六本木にて鑑賞)