バーレスク★★★★〜少女漫画じゃ終わらせない〜


  ーーこの声で、夢への扉を開けてみせる。
歌のうまい田舎娘がLAのクラブで夢を叶えてくはなし。


田舎の女の子(アギレラ)が都会に出て、師匠のババア(シェール)と成り上がる。
少女漫画ムービーですね。
2人が濃すぎて絵ヅラは『ガラスの仮面』みたいでけど。
舞台上のアギレラを見て、「あの子は目立ちすぎる・・・!あの子は・・舞台荒らし!」と呟くシェールさん。
役作りの参考は月影先生でしょうか。


筋は少女漫画なので、ライバルキャラも存在。
スターの階段を登るにつれ、アギレラはモテだし、同じ夢を持つ男と夢を叶えてくれる金持ち男2人を手玉にとる…
桜小路くんと速水真澄ですね。 ←しつこい『ガラスの仮面』ネタ


アギレラとシェールのショウを見れる時点でお得映画!
筋が「王道少女漫画」な分、安心して「歌が上手すぎる女アギレラ&圧巻のシェール」のショウに盛り上がれる。
でも、ストーリーも「少女漫画」では終わっていないと思うんですよ。

【ネタバレ感想】
主人公はシェールですね。エンドクレジットも彼女が最初に出ます。この映画は「バーレスク」ってクラブの物語。その主がマダム・シェールです。「口パクの方が客が入る」と本格ショウを諦めていたシェールが、アギレラに出会って「新たなバーレスク」を手に入れる....って筋。
アギレラが主人公なら、きっと彼女はアメリカの国民的ディーバになったでしょう。でもアギレラは「バーレスク」に留まるんですね。そこが「ただの少女漫画では終わっていない部分」。主役はシェールなのだ。彼女は少女たちに夢を見させ、少女たちに夢を見せられ、過去の恋を胸に秘めながら「バーレスク」と生きてゆく。
バーレスクの少女たちとシェールは模擬親子関係ですね。母を亡くしたアギレラ以外の少女にもそうしている。シェールは妊娠した少女に「大丈夫だ」と声をかけ、ライバル女子にも赦しを与えていた。この行動は「ビジネス関係」からハズれている。そうやって関係を少女たちと築いていたからこそ、その中の1人・アギレラが「バーレスク」に新たな風を起こし、結果的には「バーレスク」を救ってしまう。「娘の恩返し」的いいはなしです。でも、シェールは「母親代わり」ではない。温情はあるが、やはり「ビジネス」、シビアである。母でも雇用主でもないなら、呼び名はやはり「マダム」でしょう。

WOWOWにて鑑賞)