千年の祈り★★〜中国おじいちゃん、アメリカへ行く〜

　　ーーぎこちないけど、いちばんあたたかい。
名作『SMOKE』のウェイン・ワンの新作。

中国人のおじいちゃんが、アメリカに住んでいる娘を訪ねます・・・。
おじいちゃんはお国のためにロケットを作っていた共産主義者。
娘はアメリカでキャリアを積み、アメリカで離婚。「母国語で感情を表せないほど中国では本音を抑えてきた」という設定で、アメリカ寄りな思想。
この二人のすれ違いに、中国とアメリカの対比って時事性があります。(多分)
中国人の魂・中華鍋を家に置いてもいない娘・・・。
宗教勧誘に共産トークで返し、相手をドン引きさせるおじいちゃん・・・。
「中国とアメリカのことはよく知らないけど、この親子が交わっていないことはわかる」親子のドラマである。

チグハグな英語でイラン人の老婦人と交流するおじいちゃん。
娘の留守の間に娘の部屋を漁ったりと、結構「娘と仲良くなれるわけがない」行動をするんだけど、憎めないのである。

『SMOKE』と同じで最後にジンワリくる構成。
ついでにネタにするところも特にありません・・・。
タバコの煙のように余韻を遺す監督ですね。

（WOWOWにて鑑賞）