ヴィンセントは海へ行きたい★★★★〜アラサーの青春 生者の旅路〜


  ーー母との約束を果たすため仲間と共に海を目指す
母を亡くし、施設に入れられたトゥレット障害のヴィンセント。そこで知り合った摂食障害のマリーと強迫性障害のアレクサンダーと共に、ドクターの車を盗んで母が望んだ「海」へ向かう・・・。 ってはなし。


ヴィンセントはアラサー だけど 青春映画である。
旅路でトラブル。ついでに男女でTo LOVEる爽やかな青春ロードムービー


3人を追いかけるヴィンセントの父と主治医。
ヴィンセントの父の愛車・アウディに乗って3人を追いかけます。
主人公たちが乗ってる女医の愛車は・・・なんかボロいの。(お気に入りらしい)
車の趣味からも2人の相性が悪いのは歴然である。
この中年2人の関係が旅で変わってくのも最高!
まぁ主役の3人も結構な中年ですが・・・ ←27歳です。中年ではありません。


主人公・ヴィンセントの演技が素晴らしいのですが、他キャストも抜群。
摂食障害のマリーは「本当に拒食症か!?」って外見。
喋り方も説得力があって、ドラゴン・タトゥーの女がやってきたかと思った。


強迫性障害のアレクサンダー(画像右)も笑える愛されキャラ。
今回の旅で1番成長したのはアレクサンダー、あんただね!
カップルに誘拐され、目の前でイチャつかれて2対1にされる仕打ち!!
それだけで人間的にのびるってもんです。


「海に遺骨を撒いてほしい」という母の願いを叶える為、無茶な旅に出たヴィンセント。
彼は、障害により母親の葬儀を退席してしまった。
「海に行く」ことが「母を葬る儀式」だったのではないか。
「葬儀は生者の為にある」ってセリフがあるドラマにありましたが、そのことを感じさせる傑作。
ヴィンセントにとっても、お父さんにとっても、意味のある、輝いた旅だったんじゃないかな。

ちなみにセリフの引用元は『セカンド・ヴァージン』という鈴木京香深キョンが男をとりあうドラマです。
女2人が遺骨を持って「あの男(故人)のお陰でうちらキャリアアップでけたね☆」と笑い合うホラーのようなオチでした。

WOWOWにて鑑賞)