北のカナリアたち★★★〜小百合とあおい「清楚」対決〜


  ーー先生が島を追われた日、私たちは歌を捨てた。
島を追い出された教師が20年ぶりに生徒を訪れるはなし


ヒロイン・吉永小百合(67歳)
その父親役・里見浩太朗(75歳)
その相手役・仲村トオル(47歳)

の出演作。
年齢表示に悪意はありません。


孤島に舞い降りた天使、小百合・・・。
生徒たちと合唱をする聖母、小百合・・・。
不安定な夫を支える敬虔な妻、小百合・・・。
20歳年下に惚れられる女、小百合・・・。
大御所・小百合の「アイドル映画」なので、それ故の豪華さでありそれ故の悲劇発生作品であった。

その悲劇とは・・・
宮崎あおいブス事件〜

あおいと言えば「とびきり美人じゃないけど夫を支える芯ある女性」がお得意。
そう、微妙に小百合さんと被っているのだ。
そのせいかブスにされていた。
激太りメイクに、足が短く見える服・・・。
エピソードも、急かし過ぎでよくわからないし。
挙げ句の果てには「合唱でソロ」だったはずなのに、歌唱力で満島ひかりに完敗していた。

「永遠の清楚」女優枠は、まだまだ吉永小百合がセンターなのであった。


【ネタバレ感想】
 森山未來がいいですね。主役です。彼が画面に出るだけで涙が出た。
 吉永小百合は「聖母であり妻であり女でありしたたか」ってキャラクタなんだけど、そんな設定で処女芸(清楚キャラ)通すのはいかがなものか。警察を欺くほど「したたか」ならば「ただ夫を支える良き妻・生徒を想う聖母」なだけではないはずだ。他にも疑問なシーンがあって、例えば、不倫相手の妻ととっくみあう小池栄子。ここで小池がクローズアップされない。彼女の役は宮崎あおい以上に重要だと思うんですよ。森山未來が教師としての吉永小百合の「功績」ならば、小池栄子は教師・吉永の「功罪」。幼少時の体験はショッキングだろうし、いくら良い行為をしていて周りが罪を咎めていなくとも、「子供に与える影響」は大きい。善の行為していなくても、周りが全員感謝していようと、行為は行為なんだよ、と。その「どうしようもなさ」が深掘りされないし、周囲も「先生は悪くない」と訴えるだけ。小池栄子吉永小百合で「あたしら不倫シスターズ☆」くらい言ってほしかったナ。

シネマサンシャイン池袋にて鑑賞)