悪の教典★★★★〜エクセレントに無理を通して道理を飛ばす〜


  ーーまるで出席を取るみたいに、先生はみんなを殺し続けたんだ。
サイコパス教師が学校でトンデモやるはなし


エクセレント!
時計じかけのオレンジ』のような軽やか殺人!!
「学園祭でお化け屋敷をつくっていたら、ホンモノのホラーハウスになっちゃった・・・」って映画ですが。
「主人公なのに怖い」ホラーな仕上がり!
犯罪者の「性格や人生、意図」なんかの「殺人に至るまでの背景」を見てきたというのに、怖いんですね。
人生を見ても彼の考えがわからない。何故なら彼はサイコパスだから!新たなサイアクヒーローの誕生だ!


主人公のハスミンは爽やか人気教師。
女生徒の頭を撫で、全裸で筋トレをするようなキモい男を伊藤英明が120%で演じております。
原作では天才って設定だけど、結構アホいな。
「ダイナミック・バカすぎるから警察にバレないのでわ・・・?」と疑ってしまう脳筋なのである。


実にエクセレントな小説映画化です。
原作も主人公はダイナミックバカなので、ミステリとしては(個人的に)ちょっと無理が感じられたりもしました。
その原作からストーリーを取捨選択し、派手な画面をバカスカ打つことで「無理」を払拭。
ハスミンの「人間味」描写を削ぎ、ミステリではなくホラー映画にしてるところがクール。
化け物主役のトンデモ映画だから「そもそもここがおかしくない?」って考える気が起きません。
この技を「無理を通して道理を蹴っ飛ばすんだよ!」方式と呼ぼう。


主人公を疑う陰気な教師には吹越満
本当に悪質な男ですが・・・。
黒板に書く字は結構かわいいのであった。

(TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて鑑賞)