情熱のピアニズム★★〜天才の音〜


  ーー自信家でビッグマウス 好奇心の塊 きまぐらで楽天的 孤独を嫌い 女にとっては裏切り者。
全身の骨が折れて生まれてきた身長1mの天才ジャズピアニスト、ミシェル・ペトルチアーニのドキュメンタリー

彼の周りの人はこう言う。
ペトルチアーニは、
人を楽しませることが好きで、
女たらしで、
変化を好み、
寝てる時だって鍵盤を叩いていた。
それは音を聞けばわかる。

映画自体は「関係者のインタビュー→過去の映像をそのまま長す→ペトルチアーニ本人の発言」
という流れの連続で、演奏映像は結構少ない。ちょっと眠くなるかな。

ペトルチアーニの知人は彼の才能だけでなく人格までもを褒める。(酷い捨てられ方をした元妻ですら!)
それらの賞賛に説得力を与える最たるものは、ペトルチアーニの「音」である。
生来骨が脆いペトルチアーニは、骨折をしながら鍵盤を叩いていた。
そして36年で人生を終えた。
ポジティブなだけではなく、時間の大切さ、そして圧倒的な苦悩を知っていたのであろう。
欲望だけで女を渡り歩き、権力欲だけで演奏をしている人間に、
こんな音は出せない。

(シアター・イメージフォーラムにて鑑賞)