ウィンターズ・ボーン★★★〜本当は恐い田舎物語〜

「田舎で生きよう!」ブームが日本に起こる中、
これでもかと「本当は恐ろしい田舎」を描いた作品。


貧乏な田舎娘が失踪した父親を探す話なんだけど、
理由が「お父さんに会いたい!」ではなく、
「失踪した父親が家を借金の担保にしていたので1週間以内に見つけないと住む所が無くなる」 
←スタートから壮絶


 主人公ジェニファー・ローレンスの眼差しが印象的。母は心神喪失、父は失踪。そんな「誰にも頼れない」貧乏生活のなかで17才の少女が弟と妹を育てる。無慈悲な警察に現実を突きつけられても、共同体意識に囚われた大人から嫌がらせを受けようと、目力は変わらない。その少女の眼が揺れに揺れるのは、母に相談をするシーンだ。「私はどうしたらいいの?」少女の助けを求める声は誰の耳にも入れられず、ただ森の中に響く。

【※ネタバレ感想】
 ラストの安堵感が一番恐ろしい。環境は何も変わっていないのに「とりあえずの」問題が解消されたら安心しきってしまう。根本的な問題は何一つ変わっていないというのに。
WOWOWにて鑑賞)