ロックオペラ モーツァルト インディゴver.(2/14昼)★★★〜キワモノ味噌カツチーズ丼〜

オーストリアの作曲家モーツァルトの生涯を描いたフランスのミュージカルがアメリカの演出家の手によって日本で新たに作られるという国籍難解物件。
山本耕史中川晃教のW主演で、2人が代り代りモーツァルトサリエリを演じる。
自分は山本;モーツァルト 中川;サリエリの2月14日昼回を鑑賞。


「俺の歌を聞け!」と言わんばかりにキャストが歌う歌うの舞台。
宝塚、AKB、オペラ歌手から高橋ジョージまでいる魑魅魍魎ぶりなのでバラエティ豊かな歌唱ショウが楽しめる。
その代わり後半のシナリオは急ぎ過ぎで、ドラマや人間関係を嗜む文芸的な物にはなっていないと思う。
「筋よりとにかく今!今、俺の歌を、魂を聞け!!!!!」って感じの奇作に映ったな。
とにかく全キャストが魂削って歌い上げる様が濃い。
「甘い歌」「沈黙の多いシリアスな歌」とか、あんま無いからね!!!
いつでも全力全霊!!!
濃いんですよ。
味噌カツチーズ丼のように、濃い!!!


 ストーリーでは「やりたい楽曲を作らせてもらえないモーツァルト」が強調されている。パトロン貴族に出資してもらって音楽を書く時代だから、お上に許可されないと斬新な作曲は作れない(生活できない)んですよ。天才だからと言って好き勝手創作が出来るわけではない…。神童すらも、情熱と現実の狭間で苦しんでいたことがわかる。それでもモーツァルトは情熱を抱き続けるのである。山本モーツァルトはキラキラパワーが凄い。「劇場の中で彼を好きにならない人はいるのだろうか?」と思うほどの輝き。他のキャストも皆個性を持っていて、「今しか魅せられないパフォーマンス」を精魂かけて観客にぶつける。音楽や美術も豪華。さながら舞台自体が「今」を「情熱的に」生き続けたモーツァルトのよう。

東急シアターオーブにて鑑賞)