アーティスト★★★★〜それでも映画は死なない〜


セリフを一切発音しないことで話題だったサイレント現代映画。
いや〜〜〜。
歯並びが気になるな〜〜。
声が無いと口に注目してしまうという新発見だった。


ストーリー自体は王道。
サイレント映画のスターだった主人公が、トーキー映画誕生により没落」/「彼のファンであったヒロインはトーキー映画のスター女優として成功」っていう。
ヒロインは主人公に片想いしてるんだけど、
今さらこの表現は秋元康しか使わないレベルに古い演出がポイント!
「主人公の背広のにおいを嗅ぐヒロイン…。それを見てしまう主人公!」みたいなね。
テンションにノれるとキュートで愛しい映画。


あと評判通り犬が凄かった。
主人公のペットなんだけど、作中1の活躍・・・。
介護犬並!

【ネタバレ感想】
 過去の映画なんて、誰も見ないのだろうか?この映画は、主人公をそのまま「サイレント映画」、ヒロインそのまま「トーキー映画」として捉えられる。時代の変化によって主人公は陰を見、ヒロインは光を見た。一見、ヒロインが主人公を蹴落としたように見えるだろう。しかしながら、ヒロインは元々、主人公のファンで大変なリスペクトをしていた。その上で「貴方を助けたかった」と言うのである。サイレント映画を間接的に蹴落としたトーキー映画は、サイレント映画を嫌いだったわけではない。むしろ、サイレント映画たちを愛し、リスペクトしたからこそ、新たな「時の人(新時代)」足り得たのである。そんな2人が手を取り合えって笑顔になるこの映画のラストでは、一筋の涙がこぼれた。あぁ、どんなことがあっても、映画界には「映画愛」が根底に流れているのだ。時代の変容はあれど、映画は愛され続け、サイレント映画の傑作はいまだに人々に見られ続け、果てはこの時代にこんな映画まで作られる。さぁ踊り続けよう!タップを刻んで、饗宴を作り出し、一晩中、狂うまで!

WOWOWにて鑑賞)