地球は女で回ってる★★★★★〜自分の限界を正直に認め前向きに生きろ〜


すべての私小説志望、
いや、小説好き、映画好き、芸術好き全員に見てほしい!


ストーリーは「いつものウディアレンUpdated」
実体験をネタに小説を書いている主人公が、周囲の人にキレられつつ色々あって、いつしか自分の書いた小説キャラが目の前に現れる…。
「妻や浮気相手との実体験を創作に使って怒られる」ってこと自体がアレンの実体験なんじゃないか?と思えるところが乙ですね。

主人公の書いた小説も映像化されてるんだけど、
「元はウディアレンなのにフィクション化するとルックスが良くなる」ところもリアリティ。

↓だってウディアレン役がトビー・マグワイアだよ!!

10回生まれ変わってもこんな美しくはなれないよ!
詐欺もいいところだよ!
ロビン・ウィリアムズがモザイク扱いされてたシーンはかなり笑った。

【ネタバレ感想】
 主人公が変わらないことが素晴らしい。そう、人は簡単に変化できない。「何故結婚するんだ」「貴方が「僕のことを愛するな」って言ったから」「なんで僕の言うことなんて真に受ける!」 このシーンの、なんと悲しいことか。この映画はそんな哀れな主人公を更生させたりしない。でも、否定的にも映さないのだ。そこがとても素敵だ。ある種、人格は最低だけれど才を持つ創作家への賛美。人は中々変われないし、人生に適応できない奴はできないままだし、誰しもに「限界」がある。その「限界」は人それぞれ違うから、敗北感や嫉妬心を抱くこともあるだろう。でも、もし貴方が死後の世界を信じていないのなら、人生は気楽に楽しんだ方がお得だ。自分の限界を正直に認めつつ前向いに生きていこう。そう言ってくるこの映画は、地獄ですら快適な場所に映してしまう。
 -その人の人生に意義を見出すのは他人の良識や価値観ではない。全ては本人次第だ。それは開放であって閉鎖ではない。寛容であって虚無ではない。こんな素晴らしいことを本当に可笑しい艶笑喜劇の中に忍ばせてしまうアレンってやっぱり世界最高の映画作家だと思う。 CinemaScape/地球は女で回ってる(1997/米)より引用

WOWOWにて鑑賞)