マーサ、あるいはマーシー・メイ★★★★〜マインド・コントロール脱却後の戦い〜


「自室での一人遊び☆にふけっていたら親が入ってきた」という男子各位のトラウマを世界最高峰演出で魅せた『ブラック・スワン』、のスタジオ新作!
今回もそれに似たオモシロシーンがありました。
そんな笑えるところもあるけど、本気で怖い秀作!
日本でも話題の「マインド・コントロール」にかかった少女の映画です。


カルト教団から逃げ出してきた女性が姉夫婦の家に住む話。
主演は『レッド・ライト』で好演を見せたオルセン姉妹3女、エリザベス・オルセン
これがデビュー作らしいですが、なんともいい脱ぎっぷり。
安産型だった。 ←報告
映し方が基本的にAVなんで、床に雑巾ふいてるだけでエロい…。


マインド・コントロールの描写では「自分も安心して信奉しちゃいそうだわ…。そして「あれ、この人なんかちがくない?」と気づいた頃には、逃げられなくなってるって言う…。」と不安に駆られました。

 主人公をお世話する姉夫婦に関しても色々考えさせられた。まず、主人公のマーサが「今まで通りの普通のテンション」なのに、時々常軌を逸した言動をするってところがリアル…。日常は普通に見えるから余計ビックリするよね。そして異常行動が時々であるが故に「この子が精神病院に行くような状態なわけがない」と思っちゃうっていうね。
 痺れを切らした旦那が主人公に向かって怒ったりするんですが。ああいうのよくないと思う。主人公は元は普通だったわけだから、異常者・変人ってわけではなく「病気にかかっているだけ」の状態。その病気は、肺炎にかかったら病院で治療受けなきゃ中々治らないのと同じで、プロの医師に適切な治療施されないと完治は難しい。だから、適切な治療を受けるよう準備してあげるべきだし、心情的には「今は肺炎のような病気にかかってるだけで、治療で治る」と構える方がいいと思う。余裕も出来るし。
 「トラウマを抱えた人間が社会に復帰するには長い時間がかかります。これは、ある女性がマインド・コントロールから逃れようと闘う最初の2週間の物語です。」と監督が説明していたんだけど、「もし自分がマインド・コントロールにかかったら…」という不安を抱くだけでなく「身近な人がマインド・コントロールにかかった場合」についても考えさせられた。

(シネマート六本木にて鑑賞)