武士の一分★★★〜見やすい時代劇〜


 主人公は子ども向け剣術教室を開くことが夢のイケメン毒見役。その妻は尾行者をあえて泳がせる謎の能力を持った夫想いの料理上手。キムタクだけあって最強夫婦なので、可哀想な目に遭うのは必然の展開と言える(ちょっかい出さないと家庭崩壊も起こらなそうなので…)。まず毒味の際に赤貝の毒に当たってキムタクが失明。仕事が無くなってしまい、家計の危機が訪れる。「キムタクをどうするか」押し付け合いをする家族会議がリアルすぎて介護映画かと思った。愛、アムール!そのあと、家計の危機を救うため妻が偉い人に陵辱されてしまう。
 「盲目の剣術」がクローズアップされると思ったらキムタクの腕は一瞬で上達!!さすが拓哉…!特に「武士の一分とはなんぞや」って深堀りはされないので「見やすい時代劇」となっている。英題の「Love and Honor」の方が内容に近いと思う。見終わったあとの教訓は「赤貝はヤバい」くらいしか無いが、キャラが立っていて楽に楽しめる、山田組の腕が光る小品。良くも悪くもパブリック・イメージが定着しすぎた役者「木村拓哉」を時代劇で撮り切った点からもその腕前がわかる。キムタクも、時代劇なのにキムタク語を操っていたが、失明してからは抑えめの演技を魅せる。その静かさを補う、ドラマティックな演技を披露するのが妻役の檀れい。いい妻すぎて笑う。さすが金麦である。

WOWOWにて鑑賞)