それでも、愛してる★★★〜自作自演版『TED』〜


 二人の息子を持ちながらうつ病になり家を追い出された主人公の前に、なんと喋るぬいぐるみが現れた!強気な「彼」と瞬く間に親友となった主人公は、仕事も家庭も大成功!なんとTVでも人気者に…!だけど、妻だけがぬいぐるみを拒絶して…?
 というどっかで見た話であるが、熊よりもこちらの方が先。ぬいぐるみはビーバーで、原題は「the Beaver」。もう「ビッバ」にしな!!
 ちょっと変なぬいぐるみと共に、主人公は成長するのであった…… ならいい話なんだけど、実はこのビーバーは主人公の自作自演。腹話術の要領で主人公がパペットに喋らせているだけ。正に自作自演『TED』という物悲しいおっさんの話である。ちなみに、家族から追い出された主人公がビーバーを拾った場所はゴミ箱。お互い「捨てられた者同士」ということになる。なんかここから嫌な予感はプンプンと漂っている。捨てられたぬいぐるみのイメージって『トイ・ストーリー3』のハグベアだしさ!

※以下『ファイトクラブ』のネタバレあり

 家庭でも職場でもぬいぐるみを通して喋るなんてどう見ても頭がおかしいわけだけど、意外にも家族も同僚も明るくなった主人公を受け入れる。…もちろん人生も映画もそんなトントン拍子に良き方へは行かない。なんとビーバーが悪魔の囁きをするようになる。そもそもこれは『TED』のような二人の親友の友情物語ではなく『ファイトクラブ』と同じ「理想の自分」を演じる狂人の話。平和なまま終わるわけないし、相棒のビーバーとは妻の言う通り「離れる」べきなのだ。彼はどうなるのか?果たしてバラバラになった家族を復活できるのか…。つづく。
 主人公を嫌う息子のエピソードでは、完璧な女子高生をジェニファー・ローレンスが演じている。演技水準が高く、雰囲気も良い優等生な作品。個人的には最後が「え?終わっ…た……?」って感じだったのが惜しい。これは好き嫌いの問題…。メル・ギブソンのリアルなパニック障害芝居が良いです。

 ちなみにこの映画、ジョディ・フォスターが監督&出演している。主人公の妻役なんだけど、そもそもメル・ギブソンとは長きにわたる友人らしい。二人は映画上で夫婦となったわけだけど、実際でもジョディが体外受精で授かった息子の生物学上の父は彼という噂…。俳優としても映画監督としても大成功したものの、周囲から嫌われドン底に落ちていたメルに、ジョディから映画主演の誘いが…ってエピソードもあるし、映画にできるなこれ(笑)
 参照→ジョディ・フォスターが体外受精で出産した息子2人は、実はメル・ギブソンが父親だった!の噂で持ち切りに!【ABC振興会☆映画・海外ドラマ/俳優】

WOWOWにて鑑賞)