ブーリン家の姉妹★★★☆〜英国版「大奥」〜


 英国版『大奥』の傑作!日本と異なるのは、王室に正室/側室制度が無かったこと。当時英国はカトリックだった為、不倫どころか離婚すら許されなかったのである…。世界史の授業で「好色バカ男」扱いされた、愛人と結ばれる為に国教をプロテスタントにした、ヘンリー8世の泥沼劇!これを見ても「好色バカ男」というイメージは変わらないけどね!


 スカヨハの夫役でシャーロック(ベネディクト・カンバーバッチ)が出てたんだね。スカヨハに「あいつオマル使ってたwキャハハwww」と暴露されるシャーロック……。。うーん、使ってそう!←失礼

 タイトル通り、共にヘンリー8世の愛人となった姉ナタリー・ポートマンと妹・スカーレット・ヨハンソンの話。天使なヨハちゃんと比べナタマンは出世狙いビッチ…。父親に「王の愛人になってけろ」と言われ即☆承諾。ナタマンが嬉々としてデリヘル嬢!!天国のLEONが泣いてるよ!そしたら来訪した王がなんとヨハに惚れ、彼女は既婚者なのに城へ誘致。「愛人チャンスが奪われた!」と怒るナタマン…。挙げ句の果てにフランス王宮へ左遷される。不服だったものの、母親に「フランス女性の男を転がすテクは凄わ。吸収してきなさい!」と言われ渡仏…。時は経ち、すっかりキャラ変して帰還するナタマン!!!フランスで手に入れたいい女風焦らし術で王を虜に…!フランスどんだけなの!?


 そんなこんなで昼ドラ劇が展開されるんだけど、後半から深刻なシリアス劇に。ナタマンも前半は頭が悪いヤな女だったのに、段々とかわいそうになってくる…。。グイグイ見れて面白いんだけど「昼ドラ楽しかったww」とも「社会が悪かった…」とも言いづらい、落とし所がわからない作品だった。単なる昼ドラでもないしねぇ。「被害者としての女性」ドラマとしては、男性キャラを描かなすぎて微妙だし。それで考えてみたんだけど↓
【ネタバレ感想】
 原題は「The Other Boleyn Girl」。直訳すると「もう一人のブーリンの娘」。一見、エリザベス1世の母ではないスカーレット・ヨハンソンを指していると感じるけども、実は両方なのでは?王の加護を受ける立場は姉であったはずなのに、偶然によって妹に変更される。そして時が経ち、王は姉に魅了される。最終的には妹が彼に信頼を寄せられる…。。このように偶然や確執により「the Other Boleyn Girl」はコロコロと変わってゆく。ヨハンソンの言う通り、姉と妹は「分身」なのだ。ナタリーを救おうとした彼女が聖人と言うわけではなく「一つでも違えば自分が姉のようになっていたこと」をわかっていたのではないか。時代に翻弄された姉妹の物語である。

NHK BSプレミアムにて鑑賞)