ジェーン・エア★★★★〜公平を探る時代劇〜


予告編からして凄い時代劇メロドラマ!!

キャストは
ミア・ワシコウスカ
マイケル・ファスベンダー
ジュディ・デンチ

順番に
殺人ムスメ!
セックス依存症
ストーカーババア!!!


 ひとつの館にこの三人とは魑魅魍魎、濃すぎるメンツ…。主人公のワシコは「涙と笑顔はかったら♪涙が大部分占めてた〜♪」ような役。「苦しみを噛み締めてるように生きる」表情がいいね〜。彼女が劇中誰よりも強い信念を持っているから、暗くならずに見れる。ファスベンもイケメンなのにイケメンに見えないメンヘラっぷりで良い。そして女中のおデンは「家政婦が見た」状態!エリザベス女王ことジュディ・デンチの「家政婦は見た!」とは、なんたる贅沢!


 昔のイギリスの田舎ってことで景色も暗いんだけど、その風景、建物すべてが主人公の心情を表していて眼福…。「犠牲心は無いのか」と言われるシーンの画面表現は素晴らしいです。画像は珍しく明るい、ワシコとファスベンのキャハハうふふバカップルシーン。

真の“公平”を探る物語
【ネタバレ感想】
 家主(ファスベン)は、雇われの身であるヒロイン(ミア)に「僕らはフェアな関係だ」と言う。社会的地位としてはありえないので、精神的つながりを指してるわけだけど、既婚であることを隠し通した彼はその面でも“公平”じゃなかった。その罰を受けるかのように、ラスト彼は盲目になる。あのあと結婚したとしても日常的にサポートをしてもらうわけだから、外見的・身体的には“公平”とならない2人。精神的にはフェアな関係を築けたハッピーエンドかな?
 ヒロインを助けた牧師にしても、救いの手を差し伸べた時点で公平な関係ではない。そのあとヒロインに遺産が入り、今度は彼女が牧師一家に支援をする。「恩は返したね」、となるわけだけど、悲しいことに牧師の方は彼女に「犠牲となれ」と訴える。こちらは精神的にフェアでなかったのである。
 恋物語を通して「女性が男性とフェアな関係を築けない社会」の啓発となっている。

WOWOWにて鑑賞)