さすらいの女神たち★★★☆〜女子力に“子”はいらない?〜


 映画を見ていて。それまでが面白くても終わり方が微妙だと満足度がガックリ落ちるのですが、ではその逆の「過程が微妙でもラストだけ良ければ良いのか?」と言うと、それが良いのです。。それくらい自分にとって、風呂敷の畳み方は重要……。
 そしてこれ、面白いのかつまらないのかよくわからない映画である。しかし最後がいい。111分中たった4分しかない、エンドロールへの道筋、その味わい…。こんな僥倖、映画でしか味わえない。


 アメリカの踊り子たちがフランスでツアーを開始する。その座長は、パリで干されアメリカに逃げていたプロデューサー。彼女たちはパリ公演が出来るか…?そんな、まぁよくあるロードムービー。同系統と異なるのは、踊り子たちが俳優ではなく本物のニューバーレスクのダンサーということ。歌やダンスが上手いわけではないが存在感がすご〜〜。おしりから延々とヒモを出す、手品のようなショウもすご〜〜。
 「女子力って言葉あるやろ、あれな、"子"はいらんのや!!」と言い出したくなる、そんな実存的パワーを彼女たちは持っている。反して女性陣と比べ主演の座長(マチュー・アマルリック)は今にも飛ばされそうなくらい軽い。この存在感のギャップはそのまま心情とリンクしている。「我ここにありき」とキモが座っている女たちに比べ、主人公は生ける覚悟が座っていない。迷い続けているのだ。。その差は、骨のような主人公が豊満なミミの身体にすっぽり内包されるポスター・デザインにも表れている。

 「散歩という名の人生」という言葉が出てくる。その通り散文的な映画で、あまりメリハリはない。それによって、終わっても「この人たちの人生は続いていくんだろう」と思わせる作品だった。ま、面白いかはよくわかんないんだけどさ!

WOWOWにて鑑賞)