殺人の告白★★★☆〜パクりながらのオリジナリティ、これが韓流だ!〜


  迷宮入り連続殺人事件の犯人が、事項成立後に告白本を出発する…シリアルキラーを自称する男は超イケメン!!!アメリカ映画からの引用を行いまくりながら、最終的には「これが……韓流…か……」と圧倒される物凄い映画。その混沌と味付けの濃さは、作中に出てくるジャージャー麺のよう…。そのジャージャー麺はまず「安っぽい」と罵られ、混ぜに混ぜられた挙句…、投げられられるッ!!!!!

☆☆ステマの為に長々あらすじを説明しますね!☆☆

 これ、とてもアクションが多い映画で、しょっぱなから『ボーン・アイデンティティ風な犯人と刑事の逃走劇。ネオンが光る下町はブレード・ランナーっぽくもある。そのあとは倒された刑事が顔にジョーカー(ダークナイト)みたいな傷をつけられ、その返り血で犯人のマスクもジョーカーっぽくなる。あ、この刑事が主人公ね。
 数年経って時効は成立。前述した通り、アイドルと見紛うイケメンが告白本を出版。犯人を恨んでいる遺族らはチームを組み、イケメンの誘拐・殺害計画を練る。この復讐団、弓女・ナイフ使い・毒蛇使いのおっさん・訓練された殺人犬という【THE・マンガ】布陣だからさすが韓流である。この誘拐作戦がタノシイ。『エイリアン4』みたいな毒蛇プール奇襲!『手錠のままの脱獄』『アンストッパブルのようなカー・チェイス!!暗闇の中の視点演出はこれまたダークナイトを思い出す。
 んで一転三転、TV出演☆するイケメン。人気はもうAKB級で、学生にもTV局にも書店にもファンがいる。このシリアル・キラーのファン、女性しかいないのが印象的だ。男性は「顔が良けりゃ人を殺してもいいのか」と呆れ顔。。TV番組に話を戻すと、ファンからの意見電話で「地元の名士」と名乗る男性ファン・Jからレスポンスがかかる。今までイケメンのファンは女性しかいない。ここからしてもう不穏なフラグが立つんだけど、なんとJは「俺が本当の犯人だ」とビックリ発言。果たして誰が真犯人なのか?イケメン、そしてJの正体とは誰なのか?あ、このJさん、『ダークナイト』の覆面と『ノーカントリー』のシガーにそっくりです!日本映画でもよくお見かけしますね!


 ・・・と言うわけで、おわかりいただけたであろうか。かなり有名アメリカ映画の演出が引用されている作品である。引用、継承。言葉が悪ければパクり・・・。パクりと言われようと成立させちゃってるからアッパレ。そして凄いのが、ハリウッドパクりまくりながら結果的に超・韓流な後味を残すこと。人情オカンやダサい純愛が挟まれたり、元々韓国っぽいんだけど、何より凄いのはラスト。「こ、こりゃ日米には出来ないべよ!!!」と驚愕!!!
 ちなみに遺族集団による誘拐劇は主人公(刑事)の管轄で起こる。なので10年も犯人を追い続けてた主人公が、何故か自称・犯人の救助にあたる事態に…。ここらへんは『藁の楯』っぽい。そうなると『藁の楯』でも思い起こさせた『セブン』要素が入る。しかし!!!思いっきり構図・哲学的テーマを引用している割にあまり関係は無かった。そのゴリ押しスピード感が韓流だよ・・・!元々殺人の告白をするイケメンがスーパー韓流スマイルだし。久々に韓流見られて満足!「韓流」がゲシュタルト崩壊しそうなくらい韓流映画!

(シネマート六本木にて鑑賞)