ブランカニーヴス★★★〜荘厳と撫子、藝術と昼ドラの両立〜


 「白雪姫は闘牛士!?」ーそれだけで気になる、第27回ゴヤ賞最優秀作品に輝いた作品。主演マリベル・ベルドゥは、アカデミー賞でもノミネートされた『インポッシブル』のナオミ・ワッツやスペインの秘宝ペネロペ・クルス等を下し、主演女優賞獲得。rotten tomatoesでも現在94%支持。ってわけで凄い作品…にも関わらず同じく誰でも楽しめる娯楽作になっている。芸術的挑戦と大衆性娯楽って両立するんだね〜。


 BGMのみサイレント白黒映画…と聞くと高尚そうだけど、そこはスペインなので大袈裟かつ情熱的なソープドラマと人情的が楽しい。尚且つ美しいところが既に名画の構え。『アーティスト』よりも笑えて泣ける作風。タンゴdeノリノリ!
 闘牛シーンは思いのほか少なくて(そこが良い)、メインは親と子の絆であり継承。「継母に虐められる姫」という構図と大袈裟な演出は誰しも楽しめる。それに加え画面が美しいから、強大な映画パワー!そして継母がイイ!勧善懲悪にしてもやりすぎな悪役、子どもが見たらトラウマ発症!流石ソープドラマの国スペイン。あ〜〜鶏肉食べたいっ!!


 「スペインの人々」も描かれていて、特に観衆の使われ方はスペイン人性(&闘牛の魅力と残酷性)を現してて巧いと思った。それと各キャラのキリスト像への接し方がスペインらしい。ただ〆は「観客が原作童話を知っていること」前提の急ぎ足。ただ→
【※ネタバレ感想】
 きっちり「芸能」(=見世物小屋)の残酷さを描くところはスパイスが効いてる。

(都内試写室にて鑑賞)