The Heat(2013)★★★☆〜これが女のアクション映画!〜


 『デンジャラス・ビューティー』のサンドラ・ブロックと『ブライズメイズ』のメリッサ・マッカーシーがバディを組む刑事もの。我々にとって『パシフィック・リム』よりも待ちわびていた作品である。


 サンドラ姐さんはバリバリのFBI捜査官。休日はもっぱら猫草づくり。マッカーシーは地方の警察で、武器マニアの過激派変人。ともに男社会で差別を受けている存在。
 『リーサル・ウェポン』を筆頭に「刑事バディ・ムービー」は王道中の王道。つまりはこのジャンルに目新しさなんてほぼ無い。ポスターも敢えてのオールドテイスト(80'sくらい?)。だけれど、これは「女性刑事同士」だから今時代的。…男も女も働くけれど、職場は男性上位主義が残っている…この環境に覚えのある女性は多いはず(多分)。そんなストレスを吹っ飛ばすビジネス・ウーマンパワー・ムービーがこれ。「男なんてサイテー!」と叫びながら、ビール片手に女友達と見るような女性映画である。なんせサンドラ・ブロックメリッサ・マッカーシーがムカつく男の☓☓☓を撃とうとする。 思えば「女性の為の女性のアクションムービー」って結構少ないかも?


 「女性」という面以外は王道なバディ・ムービー。当然の如くサンドラとマッカーシーはファースト・インプレッション最悪。性格も真反対。そして当然の如く2人の間には友情が芽生えてくわけだけど、その構成が結構面白い。前半に交わしたコミュニケーションと真反対の会話が後半に(度々)披露される。ある意味円環型の映画。変わったのは二人の関係性だけってところがジンとくる。例は色々あったんだけど、見たの二ヶ月前くらいなんで忘れました。マッカーシーの部屋にある武器の扱い方とか…。サンドラの休日の過ごし方にしても、相変わらず寂しいかもしれないけど、共に過ごす相手が一人加わっている。

(Regal Battery Park Stadium 11にて鑑賞)