ブリングリング★★〜ソフィア・コッポラの作家性〜
パリス・ヒルトン、リンジー・ローハン、オーランド・ブルーム…そんなセレブたちの自宅へ盗みに入ったのは、なんと裕福な高校生たちだった…。っていう実話の映画化。題材だけで「面白くないはずはない」んだけど、うーん……。
「何故普通の高校生がセレブの家に入れたのか?」…って仕掛けは結構簡単。ずばりインターネットである。アメリカでは、有名人の自宅は住所が(勝手に)公開されている。それをGoogleEartに入力し「どこから入るか」計画を立てる。あとは、対象芸能人のFacebook/Twitter/Instagramをチェック。「クラブなう!!」「海外なう!」の書き込みを見つけたら、いざ自宅へ。
…それでも、スーパー芸能人なら、セキュリティ半端無いんじゃないの!?と思いきや…
〜パリス・ヒルトン邸訪問時〜
「(来たはいいけど)入れなくない?」
「鍵ってさ、ドアの前のカーペット下に入れない?」
「あ〜〜」
「見てみるわ〜〜〜あっ、ビンゴ!!!」
パリスは絨毯の下に鍵入れてるの?イメージに反し、案外庶民的なパリスであった…。 ま、高校生自身は大した動機も無く、ただ贅沢したい女の子たち(+オシャレ男子)。監視カメラには映っちゃうわ、クラブで「これパリスの服!」と自慢したりと犯罪者としては下の下。というか犯罪者って自覚も無さそう。今流行りのインターネット炎上のテンションに似ている。どこの先進国も一緒かな?
題材・キャストと、監督の作家性が不一致な印象を受けたなー。ソフィア・コッポラなので、いつもの、ただ映すだけの「神の目」視点をとってるんですが…。正直ガキンチョをただ映されても大した面白みNOTHING!!画面的快感(いわゆるオシャレ映像)も『マリー・アントワネット』と比べると平凡。ソフィアは「犯罪者の自覚無しに犯罪をするデジタルネイティブ世代」を撮りたかったのかな?それにしても、強盗自体の動機である高校生たちの「欲望」「焦り」を深ぼらないと見応えが無い…。行動自体への印象は軽くとも、高校生特有の「上のランクでいたい」欲求はとても重い狂気なのだから。。最後の頼みは、スカーレット・ヨハンソン/キルスティン・ダンスト/エル・ファニングのような、新鮮な存在感を放つミューズなわけですが、ハーマイオニーは……。。あんた『マリリン7日間の恋』でも居るんだか居ないんだかわかんなかったわ!?!?報道画面でしか姿を見せなかったパリス・ヒルトンのがアッパーさあるわい!
(Hilton San Francisco Union Squareにて鑑賞)