ウィ・アー・ザ・ベスト!★★★〜中学生のリアリティ〜


 東京国際映画祭グランプリ作品。スウェーデンらしく作中で原発DISがあるので、受賞は納得。TIFFってエコ志向だしね!!PUNKbandをやる女子中学生3人の話。思春期のリアリティが巧く描かれている。北欧版けいおん!って言っちゃってもいい外見なんだけど、集団心理描写が繊細なので日常系萌えアニメとは違うかな。ちなみに監督は男性だけど、原作は女性(監督の妻)。少女たちがリアルなわけだ。


 前半描かれるのは「家庭問題」。ヒロイン三人の個性はかなり家庭が反映している。若い男と不倫する母親について「彼女の幸せもあるから」と語る、気づかい屋かつ引っ込み思案のメガネ。美形&派手揃いの明るい家庭に育ち、家族を見下しているワガママでわかりやすいモヒカン。クリスチャン狂の母親を持ち、一人で妹の世話をしている、シャイで年下サポートに長けたブロンド。彼女たちが「私たちママみたいになっちゃうの?」とギターを鳴らす…。。
 後半は中学生の「恋愛問題」。同性3人で居る時は相性が良いのに、そこに異性が入った瞬間「モテる奴とモテない奴」が明瞭化。モテない子はグループ内での対等意識を無くしてしまう。…国境跨いでリアルですね!そんなこんなで、障害がありながらも友情と音楽を信じ突き進んだ少女たちは「あたしたちこそ一番!」に到達する。きっとどこにでもある中学生の話。それをスウェーディッシュな思想、台詞、問題、音楽、食事、ファッション、景色が飾る。

(TOHOシネマズ六本木ヒルズにて鑑賞)