ハンガー・ゲーム2★★★★〜日本人にもウケやすくなったティーンズ大作〜


 大ヒットしたらクオリティを上げてくる速効性!ハリウッドの底力ゴイスー。脚本家、俳優、楽曲だけでなく衣装までもオスカー級を取り揃えたティーンズ大作*1バイオハザード』+『トワイライト・サーガ』的な作風で、現代アメリカ人がアガる為のアメリカン・アゲ永続ムービーとなっております。ハリウッドがグローバル志向になった昨今、ここまでUSAセンスと感じる映画も久々かも。批評家受けもセールスもかなり高く、あの『アイアンマン3』興行すら超える勢い*2。アゲ映画大好きな自分は大満足。沢山の笑顔をくれた『トワイライト』が終わってしまった今、これに縋り付いて生きるんや・・・!


 ハンガー・ゲームは何故こんなにもアメリカでウケるのか?それはやっぱり、未成年者が人権侵害を受けるバトルロワイヤル・ゲームの衝撃だと思う。「大人の都合で子ども達がこんな残酷な目に…信じられない…Oh…」ってな感じに。だけどこれ、日本人にとってはそこまで強烈ではない。なんせ『エヴァンゲリオン』が95年から在った国。大人たちの勝手な都合で子どもたちが殺し合いをする『バトルロワイヤル』も、父親&国際機関が中学生に戦闘を強制する『エヴァ』も、90年代から社会的認知を受けてきた。今となっては「過酷な闘いによって消耗し過呼吸になる姿」をコンテンツとするAKB48も国民的アイドル。アメリカでバトルロワイヤル映画が喝采を受けてる横で、日本はリアル・ハンガー・ゲーム集団が社会現象を巻き起こしていたのであ〜る。元から日本人は「組織の為に命をかける」精神が一般的アメリカ人より強いだろう。ハンガー・ゲームなんて言われても「今ごろBR?」ってな感じで、設定自体に新規性を見出さないのである。てわけで「未成年が人権侵害被害に遭い消耗してゆくコンテンツ」は、日本がアメリカより全然先を行っている。普通に面白ければ良かったけど『ハンガー・ゲーム1』つまんなかったしね。
 しかしながら、続編にあたる『ハンガー・ゲーム2』は日本人でも"泣きやすい"映画となっている。バトルロワイヤルに勝ったあとも続く「偽りの生活」…。。でも大切な人を護る為に嘘を吐き続けなければならない…!カットニス(主人公)可哀想!!!っていう誰もが悲しくなる設定。「いかように美しく映るか」なんて少しも考えてなさそうなジェニファー・ローレンスが迫力満点な1人芝居フィールドを創出。ってわけで一般的な日本人としても、1作目よりは見応えあるティーンズ映画となっております。

【ネタバレ感想】
 結局は「絶望の中で不条理と精一杯戦う子どもたち」ではなく「世界そのものを変える革命児・カットニスの物語」だった…っていう、非常にアメリカ的思想シリーズであったと判明する。そこもアゲ!!!

(よみうりホールにて鑑賞)