アンナ・カレーニナ★★〜黒、赤、白、どれも不幸?〜


「愛したいんだけど愛せない映画」ランクインに納得の映画。


舞台的だったり紙芝居的な演出が目立つ。
キャラがいる舞台が「等身大シルバニアファミリー」みたいだったり、
全体が止まって主要人物だけ動く演出が紙芝居絵巻っぽい。

まるで舞台を見ているような感覚だけど凄く映画的な画面、って点では『レ・ミゼラブル』より見る価値があると思う〜。
そのかわり合う、合わないはわかれそう。


トルストイの有名作で、夫と子供ある貴族が不倫に走るお話。
主演がキーラ・ナイトレイ、不倫相手が『キック・アス』のアーロン・ジョンソン、不倫される夫役がジュード・ロウ
このジュード・ロウが可哀想すぎて、主役カップルに感情移入が出来なかった…。
ジュード、そこまで悪くないし…。
例えるなら、キーラとアーロンはクラスのモテモテリア充。ジュードは教室の隅で孤独なボンボンガリ勉なんですよ…。キーラとはお見合い結婚…。

「古典名作を変わった演出で表現する」という志は凄いし、
「悪口を言われている人の表現」は世界一レベル
だけど結構眠い…。
キーラにアンナ・カレーニナという大役は早すぎたのでは…。
「喪服を着たサザエさん」に見えたし…。

【ネタバレ感想】
 アカデミー賞も納得の衣装表現。きらびやかなだけではなく、メタファーとしても大きく機能しています。キーラは大体「黒・赤・白」しか着ないんですが、それがそのシーンの説明にもなっています。白は「イノセント」かな。ジュード・ロウの元から去って愛するアーロンの元へ向かう際、赤のドレスを脱いで白服になるんですね。「本当の愛」の表現だと思う。その「白い」愛を貫いたのに彼女が悲劇的結末を迎えたのはなんとも落ち込みますが…。最後、白服をまとったジュード・ロウと2人の子どものシーンで希望を感じます。

(新宿シネマカリテにて鑑賞)