採点不可能

そして父になる。アダルト・チルドレン脱出の成功譚。

「父の呪縛に囚われていた主人公がアダルト・チルドレンを脱却し孤独じゃなくなる話」である。又、それに伴う「家族の再生」。同じくカンヌで賞を授かった『ツリーオブライフ』『トウキョウソナタ』に似ている。文学的に言うと「父殺し」の物語なのでドリー…

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語。一つだけの明瞭な勝利と歪みの発端。

アニメ界のねじれ国会やー!とばかりに歪みまくった劇場版。歪みに歪んだ脆い構造によって世界の命運が決まるもんだから、拒否反応を示す人も多い。【ネタバレ感想】

中学生円山。『ダークナイト』を夢見る中学生。

寝てしまったので採点はできません…。寝たのは十分間程度ですが…。原因は薬を飲んで睡魔にとらわれただけなので、こちらの問題です。ごめんなさい。映画は興味深いつくりで中々エキサイティングでした。 中学生が妄想をするこの映画。なぜだか晴れやかな鑑賞…

裏切りのサーカス。よくわからないけど普通ではない精巧な作品ってことはわかるムービー。

「よくわからないけど普通ではない精巧な作品ってことはわかる」ムービー。 冷戦下、スパイの中にいる「モグラ(裏切り者)」を探せ、という話…。 裏切り者候補は4人。 その名もティンカー(鋳掛け屋)! テイラー(仕立屋)! ソルジャー(兵隊)! プアマ…

サラの鍵。過去を知らなければ、未来は作れない。

『最強のふたり』はフランス映画らしく、実話・障碍・格差を扱いながらも「感動しろ」という演出を最後まで行わなかった。本作はそんな映画だ。 『ザ・マスター』はある種戦争の映画であった。「戦争」は終戦調印しただけでは終わらない。世界大戦に勝っても…

インポッシブル。"娯楽”映画の力。

「3.11を経験した日本人からしたら、」から始まる不評が多いのは当たり前だ。 だからこの映画は素晴らしい。 『インポッシブル』は娯楽映画である。娯楽の範疇で、極限レベルまで災害のリアリティを描いた作品だ。そもそも「災害の話」でなく「家族の話」で…

ヘルタースケルター。これは映画ではない。何故りりこはカメラの光を浴びたのか?

最初に言ってしまうと、実写版『ヘルタースケルター』は映画ではない。これは「沢尻エリカが謝罪せぬまま女優復帰する旨を宣言した」映像である。だから、ゴシップ=事件だ。それが「何故沢尻エリカ演ずるりりこはフラッシュを浴びることを選んだのか」とい…

ヘルタースケルター。原作との違い、芸能界の権威化、こずえが勝利者。

実写版は、観賞後の観客(特に女子高生)に「エリカ様かわいいー!あぁなりたーい!」と言わせた時点で勝ちである。 ただし「映画」として、ではなく「事件」として。突き詰めれば「醜聞」として勝利したのだ。おわり。だけどどうしても気になる箇所があるの…

愛、アムール。「愛が無ければできないこと」をした人間の軌跡。

美しい映画。だからと言って、感動作なのか、名作なのか、と聞かれたら、答えることが出来ない。【ネタバレ感想】 『愛、アムール』が美しい所存はその構成にある。弟子のコンサートから帰った夫妻は家の鍵が壊れていることに気づく。空き巣(疑惑)への反応…

ザ・マスター見た。ミイラがミイラ取りに?

「観終わったあと、ただ楽しかった、笑えた、泣けたなどと一言で終わらせられる映画は劇場で見る価値が無い」という言葉を是とするのならば、この上なく高尚な作品。 ただ、自分でも「自分が面白いと思ったのか」「後味が悪いと思ったのか」わかりません!!…